結論から言うと、このデータでは1人に決められません。生のレートは時代ごとに水準が違うので、そのまま並べても比較になりません。代わりに「その時点の現役トップ10平均から何点抜けていたか」で測っています。
| 順 | 棋士 | 抜け出し度 | 時期 | 当時の現役数 | トップ3基準の順位 | ばらつきで割った順位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 藤井聡太 | 299.9 | 2024-01 | 189 | 1 | 1 |
| 2 | 中原誠 | 227.7 | 1973-08 | 77 | 2 | 3 |
| 3 | 大山康晴 | 220.3 | 1965-07 | 48 | 4 | 2 |
| 4 | 羽生善治 | 215.5 | 1996-04 | 141 | 3 | 4 |
| 5 | 渡辺明 | 171.5 | 2013-04 | 182 | 5 | 7 |
| 6 | 升田幸三 | 150.6 | 1958-01 | 40 | 6 | 5 |
| 7 | 永瀬拓矢 | 144.0 | 2020-08 | 179 | 16 | 11 |
| 8 | 佐藤康光 | 135.9 | 2006-10 | 177 | 8 | 13 |
| 9 | 米長邦雄 | 130.2 | 1984-08 | 119 | 10 | 10 |
| 10 | 谷川浩司 | 125.8 | 1990-10 | 137 | 7 | 6 |
| 11 | 森内俊之 | 122.1 | 2004-04 | 174 | 12 | 16 |
| 12 | 二上達也 | 112.3 | 1966-10 | 49 | 17 | 9 |
1950年代以前はこの表に出てきません。当時は現役棋士が40人に満たず(1940年で25人)、「同時代の上位40人」という比較の土台そのものが作れないためです。⚠️これはその時代の棋士が弱いという意味ではなく、「測れない」という意味です。
🔴そして表に載っている中でも、古いほど土台が薄くなります。レートは対局を重ねて初めて定まるので、対局数が少ない時代は本人の数字も、比べる相手の数字も、はっきりしません。実際にはこれだけ違います:
| 棋士 | ピーク時期 | 当時の現役数 | 比べた相手10人の平均対局数 | 1人あたり年間対局数 |
|---|---|---|---|---|
| 藤井聡太 | 2024-01 | 189 | 856局 | 30.4局 |
| 渡辺明 | 2013-04 | 182 | 909局 | 26.1局 |
| 羽生善治 | 1996-04 | 141 | 465局 | 16.2局 |
| 中原誠 | 1973-08 | 77 | 239局 | 7.9局 |
| 大山康晴 | 1965-07 | 48 | 248局 | 6.3局 |
| 升田幸三 | 1958-01 | 40 | 175局 | 8.1局 |
「比べた相手10人の平均対局数」=ピーク時点までに比較相手(現役トップ10・本人除く)が積んでいた累積対局数の平均。「1人あたり年間対局数」=ピーク前1年間に現役棋士が指した対局数の平均(いずれもこのデータでの実測)。
⚠️加えて、古い対局は記録そのものが大きく欠けています。順位戦で確かめると、直近の期(第83期)はA級100%・B級2組98%・C級2組93%とほぼ揃っているのに対し、たとえば1950年は、9局を指した棋士が1人いるのに、42人の中央値は1局しかありません(同じ年に9局指せる制度があったのに、大半が1局しか残っていない)。⚠️昔と今では順位戦の対局数の規定そのものが違うため(現在はA級9局・B級1組12局・B級2組以下10局。1963年・1972年に変更)、「何%欠けている」と正確な割合は出せません。⇒ 大山・升田・中原の時代の数値は、藤井・羽生の数値と同じ精度では読めません。順位を1つ2つ争う議論には使えない、というのが正直なところです。
「当時の現役数」は女流棋士とアマチュアを除いた数です。女流棋士の制度は1974年からで、片方の時代にだけ混ぜると比較になりません。アマチュアは公式戦に出場しても上位40人には入らないため順位そのものは変わりませんが、人数の数え方として外しています(⚠️アマチュアの判別は2003年以降しかできないので、それ以前の人数にはアマチュアが含まれている可能性があります)。右の2列は基準を変えたときの順位です。「トップ3基準」は各時代で同じ人数と比べた版、「ばらつきで割った」はレートの広がり自体が時代で違うことを補正した版。⚠️現役棋士の数は時代で大きく違います(このデータでは40人〜192人)。
上の表は「トップ10平均との差」でしたが、何人の中の上位10人かは時代で違います(1970年代は現役76人、いまは188人)。その影響を受けない測り方が「1位のとき2位を何点引き離していたか」です。こちらだと並びが変わります。
| 順 | 棋士 | 2位との差 | 時期 | 当時の現役数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 藤井聡太 | 230.4点 | 2024-01 | 189 |
| 2 | 羽生善治 | 172.1点 | 1996-02 | 141 |
| 3 | 大山康晴 | 156.1点 | 1967-04 | 48 |
| 4 | 中原誠 | 145.9点 | 1973-08 | 77 |
| 5 | 佐藤天彦 | 71.1点 | 2016-12 | 183 |
| 6 | 渡辺明 | 71.0点 | 2019-10 | 182 |
| 7 | 米長邦雄 | 61.4点 | 1984-11 | 119 |
| 8 | 谷川浩司 | 58.8点 | 1990-08 | 137 |
「現役」を直近何年の対局で判定するかを変えただけの結果です。1年にすると1位が入れ替わります。
| 順 | 直近1年 | 直近2年 | 直近3年 | 直近5年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 藤井聡太 5.63 | 藤井聡太 5.63 | 藤井聡太 5.63 | 大山康晴 5.64 |
| 2 | 中原誠 5.19 | 大山康晴 5.40 | 大山康晴 5.49 | 藤井聡太 5.63 |
| 3 | 大山康晴 4.88 | 中原誠 5.30 | 中原誠 5.41 | 中原誠 5.09 |
| 4 | 羽生善治 3.88 | 羽生善治 3.88 | 羽生善治 3.88 | 羽生善治 3.89 |
| 5 | 升田幸三 2.72 | 升田幸三 2.93 | 升田幸三 3.35 | 升田幸三 3.52 |
棋戦が特定できる最初の対局は2016年12月、竜王戦で加藤一二三と戦い勝った。 同時代から最も抜けていたのは2024-01で299.9点(当時の現役189人)。藤井聡太のページ →
棋戦が特定できる最初の対局は1964年8月、古豪新鋭戦で米長邦雄と戦い敗れた。 同時代から最も抜けていたのは1973-08で227.7点(当時の現役77人)。中原誠のページ →
棋戦が特定できる最初の対局は1941年10月、名人戦で加藤治郎と戦い勝った。 同時代から最も抜けていたのは1965-07で220.3点(当時の現役48人)。大山康晴のページ →
棋戦が特定できる最初の対局は1985年11月、新人王戦で瀬戸博晴と戦い勝った。 同時代から最も抜けていたのは1996-04で215.5点(当時の現役141人)。羽生善治のページ →
棋戦が特定できる最初の対局は2000年4月、棋聖戦で佐藤紳哉と戦い勝った。 同時代から最も抜けていたのは2013-04で171.5点(当時の現役182人)。渡辺明のページ →
棋戦が特定できる最初の対局は1946年6月、順位戦で松田辰雄と戦い勝った。 同時代から最も抜けていたのは1958-01で150.6点(当時の現役40人)。升田幸三のページ →
⚠️2018年以前は対局データの欠損が多く、古い時代ほど母集団が薄くなります。この点でも年代をまたいだ数値の直接比較はできません。